70年代、半世紀前の日本における連合赤軍、革マル派等のテロ組織に潤沢なる資金があった場合地下鉄サリン事件に並ぶ凶悪なテロ行為が横行したことが予想されるといった内容の投稿を前回させていただいたが、現在のテロ支援国家と思しき専制主義国家の動向を見れば、中国は経済改革路線に入ったばかりでテロ支援する程の余裕がなく、ロシア(ソ連)も又、台所事情が厳しくテロ支援を優先して実施出来る状態とは遠かった可能性がある。
国家転覆を目論むテロ組織はそもそも非合法の存在なのだから、公式な収入源が存在しないのは当たり前の話で前述の日本左翼も銀行強盗、及び銃砲店襲撃等で武器や資金を得ようとしていたのだ。
80年代後半からのオウム真理教台頭から何か風向きが代わり初めて来た背景にはテロ支援国家の存在があることが明らかである。
突如としてテロ組織化した教団
教団は、平成2年2月施行の第39回衆議院議員総選挙に際し、政治団体「真理党」を結成して教団代表及び多数の教団信者が立候補したが、全員落選した。
また、教団の基盤作りの一環として進出した熊本県阿蘇郡波野村(以下「波野村」という。)の教団施設をめぐり、地元住民による反対運動等が展開され、2年10月には、国土利用計画法違反等により強制捜査を受け、教団信者が逮捕された。
教団はこれらを国家権力等による弾圧であるととらえ、その目的を実現するためには、教団に敵対する者を含め、一般人に対する無差別大量殺人の実現と国家権力を攻撃し打倒することが必要であるとして、小銃、有毒ガス等の量産を決意し、上九一色村等にそれらを大量製造するための大規模な施設を設けて、研究・開発及び製造を開始した。また、東京を中心にサリン等を散布する準備としてヘリコプターを購入するなど、大規模な武装化を進めた。
出家制度等で信者から資金を集めていたことは確かだが、例えば事業立ち上げ等を自ら行っていた起業経験がある人間にはわかることだが資金力といった物理的壁が必ず存在するものである。
テロ支援国家と思しきロシアの石油輸出等で自国の経済が上向きになったのはもう少し後ではあるが、経済成長のタイミングと重なる部分があり、教団の大口のスポンサーであった可能性は高いのではないか。
断言を避ける理由は決してロシア単体のテロ支援に限定されるわけではなく、中国及び北の存在もあるだろうと思うが、ヘリコプター購入、海外における教団の拠点がロシアに多く存在する部分を見るにつき、大部分はロシアの力添えがあると予測してのことである。
テロ支援という膨大な資金がかかる謀略において国家単位ではない、個人的な組織では到底賄える種類のものではなく、人物金ならぬ「武器」が動き始める背景にはテロを支援する国家の存在が必ずあるはずで、テロリズムは陰謀論者が述べるようなファンタージではなくあくまでも物理的な制約に動向が左右される種類のものであると考えれば、陰謀論が馬鹿馬鹿しく思えてくるはずである。
子供が不相応な大金を持っていたり、高額な玩具を持っていれば何かがおかしいと近所のおばさんでも気がつくものだが、日本の保守論客が何故か米国陰謀論に走り「ネオコン」の仕業と嘯き謎理論を展開する様を見ると、この程度の単純な分析すら出来ていないのかと驚きを覚えるのだ。