K・リテラシー

ジャーナリストKANAME EIGHTの8つの視点から持論を展開。

【国際政治】エビデンス主義の落とし穴について

いわゆるインテリジェンス関連の書籍を読んで思うことは、情報の系譜はわかるものの、現状における判断については全くつかない事実に気がつかされる。

どれ程の人間が自分と同じ感覚になるのかはわからないが、現在進行形の事実を知る上において、過去のエビデンスだけではほとんど判断がつかないのである。

オシント(公開情報)を組み合わせて「動機」を洗い出すことは出来る。

具体的な例だと、地政学的な何か、資源的な何か、技術的な何かにどのように関わっているのかを見るとある程度の予想がつく。

また例えばイスラム国のテロが頻発した時期があったが、テロがほとんど起きない国があるのは何故か?、資金的に乏しいはずである国の民兵部隊の装備がやたら「綺麗」だったりする場合、どこから資金調達をしているのか?等であるが、あまり裕福ではない人間が突然、金遣いが荒くなったりすると誰もが不審に思ったりするものだが、物理的な痕跡及び行動で何かしらの要因について憶測から真相に近づいていくということである。

中々、足取りが掴めなかったイスラム国のバクダディが簡単に見つかり暗殺されてしまうのは何故か?一方で金正恩が中々暗殺されない理由はどうしてか?といった視点だが

謂わゆる「インテリジェンスの猛者」と呼ばれる名が通っているような人間の論説でも

頓珍漢な内容が展開されていたりする理由はわからないものをわかる前提で話すから起きてしまうことかも知れないが、エビデンス主義の公務員が今回の自衛隊ヘリの墜落原因についての解説においては消去法的な観点から見た正確性があったことが印象的であった。

インテリジェンスの本来の目的は現在進行形で起きる事象について未来を予測して対策を立てるといった側面があり、それが全てではないが「未来予測」がなければ情報を精査する意味がない。

これらの判断はオシント(公開情報)だけでは限界がある。

シギント(傍受、盗聴)では傍受されている側から「ガセ」を摑まされる可能性がある。

その視点から考えるとどうしても「ヒューミント」(人を介する情報)がなければ

どうにもならない現実に気がつかされることになる。

当然だが、良質なヒューミント情報を得る人間がその性質から鑑みても

「有名」であるわけがないのだ。

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