現実と歴史の基本を踏まえた上でディープステートについて語ってみようと思う。
現実にディープステートなる組織が存在するのであれば、それは米国共和党と米国民主党におけるお互いの党を超えた「超党派グループ」ということになる。
大統領選挙によって、お互いが提示し主張するマニフェストに則り国政が為されていくことは日本も米国も同じである。具体的には民主党野田政権時に可決された10%増税案も安倍政権に引き継がれ、延期にはなったものの可決通りに増税を実施した。また悪名高き民主党時代の事業仕分けにおいては「コンクリートより人へ」のスローガンの元、大幅なる公共事業費の削減が為されやがて訪れる天災時に見通しの甘さを露呈することになり自然災害により多くの人命が奪われる結果となった。
米国民主党のトランプ政権時に決まったアフガニスタン撤退においても、米国民主党バイデン政権に引き継がれ予定通りに撤退を行ったが、バイデン政権が軍隊の動かし方を熟知しておらず結果的に親米政権があっという間に陥落し、タリバンへ政権移行を許すことになった。
トランプ政権時にオバマケアにより生じた財政問題にメスが入る等の是正が為されもした。
一切の資料も見ずに自分の脳裏に浮かんだ記憶だけで前述の文章を書いてみたが大筋はこんなところだろう。
Return On Invested 「ROI」と呼ばれる所謂、投下資本率のことだが
米国陰謀論を騙る人々は米国の政治家と軍産複合体が一緒になり戦争で利益を得られるように世界に意図的に紛争を起こしているといった趣向だが、一般的な事業に資金を投資してリターンを得るやり方と、世界に紛争の火種を作る工作を行い、結果戦争へ導いて武器弾薬を販売することでリターンを得るやり方では前者と比べてあまりにも確実性が低く、悪戯に労力と時間と金だけがかかる悪手にしか見えないのだが、これは可能と言えば可能であるが確実に戦争が勃発する保証はどこにもなく、民族が異なる時の政権でも突然変異的に国の動かし方が違う人間がトップに立つこともある。いわゆるイレギュラーリバウンドという奴だが、その度に何度もドクトリンの変更を余儀なくされるわけだが、果てしなく労力がかかる戦争ビジネスに国家ぐるみで取り組む値がそもそもあるのだろうか。
イスラム国はアラーの名の元団結したが、米国は・・？
超党派グループを作るならば象徴的な何かが必要で、例えばイスラム国はアラーの名の元団結したわけだが米国の政党は一体何で団結するのだろうか？米国民主党はプロテスタント、米国民主党はカトリック、同じキリスト教でも共和党はLGBT等の性の多様性等を認めず、米国民主党はその真逆である。
イエスの名の元に団結するのはそもそも無理であるし、超党派を取りまとめるカリスマ的存在もいない。
現実的に考えれば考える程、様々な矛盾に普通なら気が付くはずであるが、国際政治に造詣が深いはずの著名な先輩保守論客の方々達が「ネオコンによる陰謀」等を嘯く姿見ると不思議で仕方がないのである。
