K・リテラシー

ジャーナリストKANAME EIGHTの8つの視点から持論を展開。

【情報戦】ネット空間もまた戦場か

首都で撮影した動画でゼレンスキー氏は政府幹部たちと共に、「自分たちはここにいる」と示し、「私たちは全員、自分たちの独立と国を守る」と強調した。

昨今のテロ支援の状況を見ていると随分と謀略も雑になった感がある。イスラム国の動向を見れば明らかで、活動当初はハリウッド映画ばりのCGを用いた特撮映像で処刑シーンを世界へネット配信をしていたりしたが、最近は使い捨てのテロ組織化したのか裏側に存在する「反米組織」に捨てられたのか、バグダディに続き、居場所を米軍に次々とリークされたのか後継者も殺され、3代目のアブハサン・ハシミ・クライシも米軍に殺害され、4代目のアブフセイン・フセイニ・クラシからは実質動きが何もないのは資金が投入されていないからだろう。

世界を震撼させたイスラム国にせよ「金」がなければ何も出来ないのだ。

あれだけ世界を震撼させたテロ組織がいきなり失速すれば、スポンサーが何もしていないことが見え見えで背後の存在が浮き彫りになる。

テロ組織の系譜を見れば、基本的に無政府主義者は金がないと考えるのが普通である。

ジャニーズがあれだけ売れる背景にはスポンサーによる資金が投入されるからで、売れる売れないの実際は大口のスポンサーが存在するかどうかに左右されていると言えなくもない。

KGBの謀略による日本を日米戦争へ差し向けたハルノート日中戦争を見るにつけあの当時のKGBも現在のそれと比べると相当に優秀だったのだなと思う。

現在はSNSの利便性のおかげか謀略の幅も広がったが、カウンターとしての抑止力も伴う為、やり易い反面、バレ安い側面もある。

 

ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府顧問が本紙の取材に応じ、偽情報や世論操作で有利な世論を作り出すロシアの「認知戦」に対抗する情報戦術を明らかにした。その特徴は偽情報を放置せず、大統領府を司令塔に素早い意思決定で対応するスピードだ。

 

ポドリャク大統領府顧問=AP

 ポドリャク氏は、元ジャーナリストで、ゼレンスキー政権の情報発信を支えている。ロシアによるウクライナ侵略が始まった翌日、国外退避したとの偽情報に対し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が自撮りしながら「我々はここにいる」と語った動画に映った政権幹部5人のうちの一人だ。

 

 ロシアはウクライナに対し、SNSなどを駆使して偽情報を流す認知戦を繰り広げてきた。ウクライナは2014年、ロシアの偽情報に 翻弄 され、南部クリミア併合を許した。

 この教訓から、文化情報省に情報戦略を扱う部門を作り、偽情報を不休で監視する部署を国家安全保障国防会議の傘下に設けた。

 偽情報は放置すると、既成事実にされる。偽情報はすぐに報告があがり、大統領府を司令塔にした外交やデジタル担当者らを交えた会議で政府として発信する内容を考える。その意思決定は速い。

 ポドリャク氏は「ロシアはプロパガンダに巨費をかけられるが、我々には一つ一つのウソに事前に備える時間も資源もない」とし、「だからこそ即応している」と話した。

 国際社会の支持を得るため、大統領の演説内容も練り込んでいる。重視するのは、欧州の視点から侵略が世界に及ぼす影響を語ることだ。ウクライナの戦いは一国の戦いではなく、「価値観や世界の安全保障を守る戦い」だと訴え、西側諸国と認識の共有を図る。

俳優出身のゼレンスキー氏は「聴衆に何をどのように見せればよいか直感的に理解している」という。ファッション誌の表紙を飾ったこともあるオレナ大統領夫人は無関心層を引きつける役割を担う。

 他国で演説する際は在外公館が情報収集し、国ごとに内容を練る。まずゼレンスキー氏が原稿を考え、スタッフが手を入れる。英国では第2次大戦時のチャーチル首相の「どのような犠牲を払っても最後まで戦い抜く。森で、野原で、海岸で、通りで戦う」との言葉を引用し、米国では2001年の米同時テロに言及して共感を集めた。「受け手がどんな情報を求めているかを重要視している」(外務省担当者)という。

 今後は「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国・途上国への働きかけを強める方針だ。中立的な立場を取る国が多く、「情報戦に敗れたロシアはグローバル・サウスへの宣伝に重点を移した」とみているためだ。

 ゼレンスキー氏は昨夏、アフリカのメディア幹部とオンライン会議を開いたが、反応はよくなかった。ポドリャク氏は「他国ではウクライナとロシアを巡る事情が理解されていないことを前提に、丁寧に説明しなければいけない」と話す。

 ロシアとの間で北方領土問題を抱える日本に対し、ポドリャク氏は「隣人が国家を脅かす時、優しさにつけ込んで命を奪いに来るだろう」と述べ、認知戦への備えを急ぐよう警告した。(ジュネーブ 森井雄一、ベルリン 中西賢司)

 ◆ 認知戦 =情報を駆使して人々の「認知」に影響を与え、自国に有利な行動を引き出す争い。伝統的な「陸・海・空」、その後の「宇宙・サイバー」に続く「第6の戦場」とされる。

 

第6の戦場とされる、とあるがロシア革命ルーマニア革命も古くは「認知戦」による謀略が図られた代表的な例であり、一方でSNSはキレッキレの行動よりも「物量」が物をいう世界である。

ウクライナ侵攻時に出た膨大なネオナチを始めとする膨大な量の陰謀論は資金が投入されて組織だって行われていたことがよくわかる。

グーグル広告やyoutube広告等を使わずにいわゆるオーガニック検索もしくは優先的に表示される背景には膨大な発信が背景にあると知るべきである。

恐らくは数百人程度の人員が毎日、各国の言語に翻訳されたフェイク情報を拡散、付和雷同する陰謀論好きのネットユーザーが更に拡散してネット空間は混乱の様相を程していくことになった。

 

陰謀論を支持し、拡散していくことはある意味、無自覚に詐欺の片棒を担いでいる行為と重なることになるので注意が必要だ。

 

#ウクライナ侵攻 #陰謀論 #陰謀説 #ディープステートは存在しない