いわゆるまともな情報に触れているとネット上で展開されている
妄想の産物と言える「陰謀論」の世界がいかに現実的な国際政治的な問題から著しく乖離していることがよくわかるのだ。
公開情報(オシント)は元より、実際の現場から流れてくる人を仲介して流れてくるヒューミント情報の存在があるかないかでこの部分は著しく分かれていく為、独自の情報ネットワークからの見聞きする環境下にいる自分はネット民と比べるならフェアではない環境下にいると言える。
職業的にそこに関わり、真相と状況と現場をある程度、知っていて議論を展開する側と想像するしかない環境下で議論を展開する側との差は歴然と存在して然るべきである。
実際に今年2/24に始まったロシア侵攻に対抗すべく、現場に入っていた民間軍事会社及び西側陣営の戦力は少なくとも関わっている国と人員数はSASが介入していたことが表沙汰になる一ヶ月以上前から把握はしていた。
これは日々情報に対してどのようなスタンスで接するのか、情報提供者とどのような人間関係を築いてきたのかが問われる為、個人的に思うことはネット民の1割にも満たない領域に自分自身が存在していることがよくわかるのだ。
そもそも情報とは狭き門であり、一般人、ネット民に流れてくる種類のものではない。
世の中の情報発信者はしたり顔で公開情報やネット情報を元に持論を展開していくのだが結局は「結果論ありき」の分析である為、その見解は現実とは著しく乖離している場合がほとんどである。
酒、タバコが無料の居酒屋革命という斬新的な店で一時期話題になった天野雅博氏の著作「貧乏は完治する病気」の中で語られていた話の中に「成功は複雑系であるから、成功者の話は参考にならない」という下りがあったが、成功者ではない部下や関係者が成功のきっかけになる因果関係となる動きが表面には出てこないのだから
成功者の話だけを聞いていて、わかるわけがない、成功は複雑系なのだ」確かこんな話だった気がする。
実際に現場で展開されている各国の情報機関の動きが独自のネットワークを通じて自分の元に流れてくるのだが少なくともその端緒は1%すらネットには存在はしない。
なぜ各国の動きがこのようになっているのか、背景については現場の情報があるから理解できるだけのことで恐らくヒューミント情報がなくては陰謀の一欠片もわからないのではないか、と自分自身の能力は相当低めに見積もってはいる。
また断定出来そうな事柄においても日々、一日単位で状況が変わっていく為、断定的な表現が難しくなる。
軍事関係の情報を扱う一般社団法人の情報、また独自のネットワークから流入してくる環境下にいる情報筋の人間は誰一人として断定的な表現は使わない。
実際に起こっている現実を見れば「断定することがそもそも困難である」ことを理解するからに他ならないのだが、その観点で考えれば昨今流行りの「ユダヤ金融資本家の陰謀」がいかに頓珍漢な方向で展開されている話題であることかがよくわかるのではないだろうか。
現場の情報が入ってくる環境下にいる自分ですら正確なジャッジが難しいと感じるのに
情報ソースを持たない人間が断言する様は滑稽に見えてしまうのだが、無責任な発信をする人間が日本国内を混乱させている様を見て、これは言い過ぎではないように思える。